結論から言うと、休業中に給与の一部が支払われている場合でも、その金額が傷病手当金の額より少なければ、差額が傷病手当金として支給されます。給与の全額支払いを受けている場合は支給されませんが、一部支払いの場合は一律に不支給となるわけではありません。
給与の一部支払いがあっても差額は支給される
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、支給要件のひとつである「休業した期間について給与の支払いがないこと」について、「ただし、給与の支払いがあっても、傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます」と説明しています。つまり傷病手当金は、給与の支払いがあるかないかで全額か0円かに分かれる制度ではなく、部分的な給与支払いがあっても不足分を補う形で支給される仕組みです。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き差額はどう考えればよいか
1日あたりの差額支給額 = 標準報酬日額 × 2/3 − その日に支払われた給与額
たとえば標準報酬日額が5,670円の場合、1日あたりの傷病手当金の満額は3,780円(5,670円×2/3、1円未満四捨五入)です。仮にこの日に会社から2,000円の給与が支払われていた場合、差額の1,780円が傷病手当金として支給される、という考え方になります。待期3日間についてはこの差額調整の対象外で、待期が完成した4日目以降の日について適用されます。
本シミュレーターで扱えない範囲
本シミュレーターは、休業期間のすべてについて給与の全額支払いを受けているかどうかを二択で判定する簡易版のため、給与の一部だけが支払われているケースの正確な差額計算までは対応していません。有給休暇を一部だけ消化し、残りの日を無給で休むといった混在ケースも、給与の一部支払いに該当します。このような場合は、無給の日数のみを「休んだ通算日数」として入力する運用が案内されています。正確な差額を知りたい場合は、給与明細と傷病手当金支給申請書をもとに、協会けんぽ支部またはご加入の健康保険組合に確認するのが確実です。
傷病手当金申請書に給与の支払い状況を正しく記入する
差額調整を正しく受けるためには、傷病手当金支給申請書の「事業主が証明するところ」欄に、休業期間中に支払われた給与の額を正確に記入してもらうことが重要です。実際に支払われた給与額と申請書の記載内容が食い違っていると、差額の計算に誤りが生じたり、確認のために支給が遅れたりする原因になります。休業前に、経理・総務担当者と給与の支払い予定について確認しておくとスムーズです。
まとめ
まずは給与の支払いがない前提での支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで概算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。