傷病手当金には、全国健康保険協会(協会けんぽ)が支給する法定給付のほかに、健康保険組合が独自に上乗せする「付加給付」という仕組みがあります。この記事では、標準報酬月額28万円・休業90日のケースをもとに、法定給付だけの金額と、付加給付がある場合の考え方の違いを整理します。
まず法定給付の金額を計算する
傷病手当金の法定給付は、標準報酬日額の2/3が支給される制度で、休み始めてから連続する3日間の待期期間が完成した後、4日目以降の休業について支給されます。標準報酬月額28万円の場合、標準報酬日額は9,330円になります(10円未満四捨五入)。
標準報酬日額 = 280,000円 ÷ 30(10円未満四捨五入) = 9,330円出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き
1日あたりの支給額と支給見込み額
標準報酬日額に2/3を掛けると、1日あたりの支給額は6,220円になります。90日休業した場合、待期3日間を除いた支給対象日数は87日のため、法定給付の支給見込み額は541,140円です。
1日あたりの支給額 = 9,330円 × 2/3(1円未満四捨五入) = 6,220円
支給見込み額(法定給付) = 6,220円 × 87日 = 541,140円
健康保険組合の付加給付とは
加入している健康保険が協会けんぽではなく健康保険組合の場合、法定給付である傷病手当金に独自に金額を上乗せする付加給付制度を設けている組合があります。付加給付の有無や上乗せの内容は組合によって大きく異なり、標準報酬月額平均額の一定割合を上乗せする例があるとされていますが、上乗せ額を具体的にいくらと断定することはできません。付加給付を実施しているかどうか、実施している場合の上乗せ率や条件は、ご加入の健康保険組合に直接ご確認いただく必要があります。
出典: 複数の健康保険組合の公表情報(組合ごとに内容が異なるため、本記事では具体的な組合名・上乗せ額は挙げません)法定給付と付加給付の違いを理解しておく
ここで大切なのは、本ツールで計算できるのはあくまで協会けんぽの法定給付の基本計算式のみであるという点です。健康保険組合に加入している方は、実際の受給額が本計算より高くなる可能性がありますが、その差額の大きさは組合ごとに異なります。また、退職後に傷病手当金の継続給付を受ける場合、付加給付は対象外(法定給付のみ)となる組合が多い点にも注意が必要です。ご自身の受給額を正確に知るには、加入している健康保険組合への確認が欠かせません。
まとめ
まずは法定給付ベースの支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。