長期の療養で収入が傷病手当金だけになったとき、税金の負担がどうなるのか不安に感じる人は少なくありません。傷病手当金は非課税所得として扱われるとされており、傷病手当金を受け取ったこと自体によってその年の住民税額が増えることはないとされています。一方で、休業前の給与に基づく住民税の負担は休業中も続く点に注意が必要です。この記事ではその関係を解説します。
住民税は前年の所得を基準に課税される
住民税は、その年の所得ではなく、前年(1月〜12月)の所得を基準にして翌年度に課税される仕組みが一般的です。そのため、今年に入ってから傷病手当金の受給が始まり収入が大きく減ったとしても、住民税の金額自体は前年の給与収入を基準に決まっており、休業中であっても納付義務は続きます。休業によって手取り収入が減ったタイミングで、前年分の住民税の負担が相対的に重く感じられやすい点に注意してください。
傷病手当金自体は非課税所得とされる
傷病手当金は、健康保険の保険給付として支給される現金給付であり、一般的には非課税所得として扱われるとされています。そのため、傷病手当金を受け取った年の所得として住民税の計算に含まれることは無いとされています。ただし、傷病手当金以外に給与収入や副業収入等がある場合は、それらの所得は通常どおり住民税の課税対象になります。正確な取り扱いは、お住まいの市区町村の住民税担当窓口に確認することをおすすめします。
給与天引き(特別徴収)ができなくなった場合
休業前は、住民税が給与から天引きされる「特別徴収」の形で納付されていた人も多いはずです。休業により給与の支払いが無くなると、給与からの天引きができなくなるため、勤務先や市区町村の運用によっては、自分で納付書を使って納める「普通徴収」に切り替わる場合があります。切り替えのタイミングや納付方法は市区町村・勤務先によって異なるため、休業が長期にわたりそうな場合は、早めに勤務先の給与担当や市区町村の窓口に確認しておくと安心です。
傷病手当金の支給額の基本
傷病手当金は、連続する3日間の待期期間の後、4日目以降の休業について標準報酬日額の2/3が支給されます。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円、1日あたりの支給額は3,780円になります。住民税の負担を踏まえたうえで、休業中の手取り収入の見込みを事前に把握しておくことが大切です。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続きまとめ
住民税を差し引く前の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。