療養のため休業して傷病手当金を受け取った年は、確定申告や年末調整で申告が必要になるのか気になる人も多いはずです。傷病手当金は非課税所得として扱われるとされており、原則として確定申告や年末調整で申告する必要はないとされています。この記事ではその考え方と、他に所得がある場合の注意点を解説します。
傷病手当金自体は非課税所得とされる
傷病手当金は、健康保険から支給される保険給付であり、一般的には非課税所得として扱われるとされています。そのため、傷病手当金として受け取った金額を、給与所得等の他の所得と合算して確定申告に含める必要は無いとされています。年末調整は、その年に会社から支払われた給与に対する所得税の精算手続きであるため、給与ではない傷病手当金は年末調整の対象にもならないとされています。
他の所得がある場合は別途申告が必要になることがある
傷病手当金そのものは申告不要とされていても、休業期間中に副業収入があった場合や、不動産所得・株式の譲渡所得等の他の所得がある場合は、それらの所得については通常どおり確定申告が必要になることがあります。医療費控除や生命保険料控除など、他の控除を受けるために確定申告をする人もいますが、その場合も傷病手当金の金額自体を所得として記載する必要は無いとされています。年の途中で休業し、会社を退職した場合は、給与所得の年末調整が受けられず、退職後の所得について自分で確定申告が必要になる場合があるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。
医療費控除との関係
医療費控除を申請する際は、支払った医療費から、生命保険の入院給付金など「保険金等で補填される金額」を差し引く必要があります。傷病手当金は医療費そのものを補填する給付ではなく、休業による収入の減少を補う所得保障の性質を持つ給付であるため、一般的には医療費控除の計算上、医療費から差し引く対象には含めないとされています。ただし、個別の判断が必要になる場合もあるため、正確な取り扱いは税務署または税理士に確認することをおすすめします。
傷病手当金の支給額の基本
傷病手当金は、連続する3日間の待期期間の後、4日目以降の休業について標準報酬日額の2/3が支給されます。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円、1日あたりの支給額は3,780円になります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続きまとめ
非課税で受け取れる支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。