会社の「休職」と、健康保険から支給される「傷病手当金」は、名前が似ているためよく混同されますが、根拠となる仕組みが別物です。休職は会社が就業規則で定める社内制度、傷病手当金は健康保険法に基づく公的な給付制度です。この記事では両者の関係と、休職期間中に知っておきたいポイントを解説します。
休職は会社ごとの就業規則で定められる制度
休職の有無や、休職できる期間の上限(たとえば「勤続年数に応じて3か月〜1年」等)、休職中に給与が支払われるかどうかは、法律で一律に決まっているものではなく、会社の就業規則によって異なります。休職制度自体が存在しない会社もあれば、手厚い休職給与を用意している会社もあり、一般的な傾向として企業規模や業種によっても差があるとされています。自分の休職期間の上限や条件は、勤務先の就業規則・人事担当窓口で確認する必要があります。
傷病手当金は休職しているかどうかを問わない
一方、傷病手当金は、会社の休職制度を利用しているかどうかにかかわらず、健康保険の被保険者が業務外の病気・けがで働けず、給与の支払いを受けていない期間について支給要件を満たせば支給されます。休職扱いでなく欠勤扱いであっても、要件を満たせば傷病手当金の対象になります。逆に、休職中であっても会社から休職給与(給与に相当する手当)が満額支払われている場合は、その期間は傷病手当金の対象外になります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き休職期間の上限に達した場合の注意点
会社によっては、休職期間が就業規則に定める上限に達すると、自然退職や解雇の対象となる場合があります。この場合でも、退職日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があり、退職時点で現に傷病手当金を受けているか受けられる状態にあれば、「資格喪失後の継続給付」として退職後も傷病手当金を受け取れる場合があります。休職期間の上限が近づいてきた場合は、退職後の継続給付の要件を満たせるかどうかを早めに確認しておくと安心です。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き傷病手当金の支給額・支給期間の基本
傷病手当金は、連続する3日間の待期期間の後、4日目以降の休業について標準報酬日額の2/3が、支給開始日から通算1年6か月を上限に支給されます。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円、1日あたりの支給額は3,780円になります。会社の休職期間の上限(就業規則)と、傷病手当金の支給期間の上限(通算1年6か月)は別の基準であるため、休職期間の残りと傷病手当金の残り支給期間を混同しないよう注意してください。
まとめ
休職中の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。