傷病手当金を受給していると、生活費への不安から社会保険料の扱いが気になる人も多いはずです。休業中も会社に在籍し、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格が継続している限り、社会保険料の負担は原則として続くとされています。この記事では社会保険料の扱いと、産休・育休の免除制度との違いを解説します。
被保険者資格が続く限り保険料の負担も続く
社会保険料は、給与から天引きされる仕組みが基本ですが、これは被保険者資格があることに対して発生する負担であり、実際に働いているかどうかとは別の話です。休業中で給与が支払われない、または減額されている場合でも、健康保険・厚生年金保険の被保険者である限り、本人負担分の保険料の支払い義務は一般的には続くとされています。休業中の保険料をどのように会社へ支払うか(給与から天引きできない分を会社に振り込む、休業終了後にまとめて精算する等)は、勤務先の運用によって異なるため、休業に入る前に人事・総務担当に確認しておくと安心です。
傷病手当金自体からは保険料は天引きされない
傷病手当金は、給与ではなく健康保険から支給される現金給付であるため、傷病手当金の支給額そのものから社会保険料が天引きされることは無いとされています。社会保険料は、あくまで在籍している会社の給与体系・被保険者資格に基づいて別途発生する負担であり、傷病手当金の受給と社会保険料の支払いは別の手続きとして扱われます。
産休・育休のような保険料免除制度は無い
出産のための産前産後休業や育児休業の期間については、事業主が申し出ることで健康保険・厚生年金保険の保険料が免除される制度があります。一方、私傷病による休業(傷病手当金の対象となる休業)については、このような保険料免除の制度は一般的には設けられていないとされています。そのため、長期の療養で収入が傷病手当金だけになった場合でも、社会保険料の負担額自体は変わらない点に注意が必要です。実際の取り扱いは勤務先や加入している健康保険組合によって異なる場合があるため、詳しくは勤務先の総務担当や年金事務所に確認してください。
傷病手当金の支給額の基本
傷病手当金は、連続する3日間の待期期間の後、4日目以降の休業について標準報酬日額の2/3が支給されます。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円、1日あたりの支給額は3,780円になります。社会保険料の負担額とあわせて、休業中の手取り収入をあらかじめ把握しておくと、生活設計を立てやすくなります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続きまとめ
社会保険料を差し引く前の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。