傷病手当金の支給額は、実際の給与額そのものではなく「標準報酬月額」という基準額をもとに計算します。支給開始日以前12か月間の標準報酬月額を平均した額を30で割り、10円未満を四捨五入した金額が標準報酬日額です。この記事では、標準報酬月額とは何か、傷病手当金の計算にどう使われるかを解説します。
標準報酬月額とは
標準報酬月額とは、被保険者が受ける給与(基本給に加え各種手当・残業代等を含む報酬)をもとに、一定の等級区分にあてはめて決定される金額です。健康保険料・厚生年金保険料の算定のほか、傷病手当金・出産手当金等の給付額の計算にも使われます。実際の給与額と完全に一致するとは限らず、等級区分ごとに一定の幅で区切られた金額になります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き傷病手当金は「支給開始日以前12か月間の平均」を使う
傷病手当金の支給額を計算する際は、標準報酬月額の1か月分だけでなく、支給開始日以前の継続した12か月間の標準報酬月額を平均した額を使います。月によって残業代等の変動があっても、直近12か月の平均をとることで、支給額が急激に変動しないようにする仕組みです。加入期間が12か月に満たない場合は別の計算方法(当該被保険者の期間平均と、全被保険者の平均額の低い方を使う方法)が用いられます。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き標準報酬日額・支給額の計算式
標準報酬月額の平均から、標準報酬日額・1日あたりの支給額は次の式で計算します。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(標準報酬月額の平均 ÷ 30、10円未満四捨五入) × 2/3(1円未満四捨五入)
たとえば標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円、1日あたりの支給額は3,780円になります。支給されるのは待期3日間の後、4日目以降の休業についてです。休業した期間について給与の支払いを受けている場合(有給休暇の消化を含む)は、その期間は傷病手当金の対象になりません。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き自分の標準報酬月額を確認する方法
自分の標準報酬月額は、給与明細に記載されている健康保険料・厚生年金保険料の金額から確認できるほか、勤務先の担当部署や、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に確認する方法があります。正確な等級区分を用いた計算は、本記事のような概算とは異なる場合があるため、実際の受給額は協会けんぽ・ご加入の健康保険組合の決定額を確認してください。
まとめ
おおよその月収額で概算の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。