結論から言うと、傷病手当金は休み始めてすぐにもらえるわけではありません。連続する3日間の待期期間の後、4日目から標準報酬日額の2/3が支給されます。この記事では支給額の計算式と、待期期間・支給期間1年6か月の仕組みを解説します。
傷病手当金とは
傷病手当金は、健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)の被保険者が、業務外の病気やけがで働けなくなった場合に支給される給付金です。支給額は次の式で計算します。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
たとえば標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円(10円未満四捨五入)、1日あたりの支給額は3,780円(1円未満四捨五入)になります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き待期3日間は「連続して」休まないと成立しない
ここが最も誤解されやすいポイントです。傷病手当金は、仕事を休んだ日が連続して3日間なければ待期期間が成立しません。途中で1日でも出勤すると、待期はやり直しになります。待期3日間が完成した後、4日目以降の休業について傷病手当金が支給されます。待期期間中の3日分は支給されません。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き給与の支払いがある期間(有給休暇を含む)は支給されない
傷病手当金には「休業した期間について給与の支払いがないこと」という要件があります。有給休暇を使って休んでいる期間は給与が支払われているため、その期間は傷病手当金の対象になりません。傷病手当金と有給休暇は同時に受け取ることはできない点に注意してください。なお、給与の一部のみが支払われている場合は、傷病手当金の額との差額が支給されることがあります。
支給期間は通算1年6か月
傷病手当金の支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。2022年1月の法改正により、途中で出勤して支給が中断した期間があっても、同じ傷病で再び休業した場合は支給開始日から通算1年6か月になるまで支給対象になります。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き健康保険組合の「付加給付」で金額が変わることがある
加入している健康保険が協会けんぽではなく健康保険組合の場合、法定給付である傷病手当金に独自に上乗せする「付加給付」制度を設けている組合があります。付加給付の有無・金額は組合によって異なるため、実際の受給額は本記事や後述のシミュレーターで計算した金額より高くなる場合があります。詳しくはご加入の健康保険組合にご確認ください。
対象にならないケース
国民健康保険の加入者(自営業・フリーランス等)は、原則として傷病手当金の対象外です。お住まいの市区町村が条例で任意給付を定めている場合を除き、実務上の支給実績はほとんどありません。ご自身の健康保険の種類が分からない場合は、お手元の保険証で確認できます。
まとめ
自分の場合の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。