結論から言うと、派遣社員は派遣元(派遣会社)の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に被保険者として加入していれば、正社員と同じ要件で傷病手当金の対象になります。この記事では、派遣という働き方特有の確認ポイントを解説します。
加入している健康保険は「派遣元」のもの
派遣社員は派遣先ではなく、派遣元の会社に雇用されており、健康保険も派遣元が加入するものに入ります。傷病手当金の支給要件(業務外の病気やけがによる療養で労務不能であること、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと、休業した期間について給与の支払いがないこと)は、派遣元の健康保険の被保険者であれば正社員と同様に適用されます。まずはご自身が派遣元のどの健康保険に加入しているか、保険証で確認してください。
出典: 全国健康保険協会 傷病手当金|給付と手続き短時間勤務の場合は加入要件の確認が必要
一般的には、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者のおおむね4分の3以上であれば、雇用形態にかかわらず健康保険の被保険者になるとされています。派遣社員の場合も、就業時間が短い契約では、派遣元の健康保険ではなく国民健康保険に加入しているケースがあります。国民健康保険に加入している場合は、原則として傷病手当金の対象外になるため、まずは加入先の確認が重要です。
支給額の考え方
派遣元の健康保険の被保険者であれば、支給額の計算方法は正社員と同じです。
1日あたりの支給額 = 標準報酬日額(支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30) × 2/3
たとえば標準報酬月額の平均が17万円の場合、標準報酬日額は5,670円(10円未満四捨五入)、1日あたりの支給額は3,780円(1円未満四捨五入)になります。支給は連続する3日間の待期期間の後、4日目から始まります。
派遣契約が終了した場合の継続給付
療養中に派遣契約が終了し、健康保険の資格を喪失した場合でも、資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失日の前日に現に傷病手当金を受けているか受けられる状態にあれば、退職後も引き続き傷病手当金を受け取れる可能性があります。ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった後、再び働けなくなっても継続給付は再開されません。派遣契約の更新見通しが立たない場合は、この継続給付の要件を早めに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
自分の場合の支給見込み額を知りたい方は、傷病手当金シミュレーターで、待期期間を含めて試算できます。
本計算は参考情報です。実際の支給額は標準報酬月額の等級区分・給与の支払い状況・休業期間の実績等により、全国健康保険協会(協会けんぽ)またはご加入の健康保険組合の決定額と異なる場合があります。健康保険組合によっては、法定給付に上乗せする独自の付加給付制度があり、実際の受給額が本計算より高くなる場合があります。国民健康保険の加入者は原則として傷病手当金の対象外です(自治体の条例による任意給付を除く)。最新の制度内容は全国健康保険協会・ご加入の健康保険組合にご確認ください。